CO2削減のヒント
CO2削減には、既設炉に簡単に導入できるものから大規模なリニューアルまで、様々な手法がございます。
工業炉メーカとしてのノウハウを活かし、お客様に最適なご提案をさせていただきますので、ぜひご相談ください。
CO2を出さない
次世代燃料って？
アンモニア（NH3）や水素（H2）は炭素（C）を含まないため、燃焼させてもCO2が発生しない次世代の燃料として注目されています。
弊社は、政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」に向け主要な役割を果たすグリーンイノベーション基金事業（※）に参画し、アンモニア・水素の低NOx燃焼技術や被加熱物・耐火物への影響の調査をおこなっています。さらに自社工場内にも水素燃焼の実験炉を設け、燃焼特性などに関する基礎研究をおこなっています。
(※)「トピックス」のページから詳細をご確認いただけます。
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電気で加熱する
工業炉って？
アルミ、鉄鋼、メッキ等の分野で、従来のガス燃料などからオール電化またはハイブリッド（電気ガス併用）の設備納入実績がございます。以下の表はその一例です。これら以外の設備の電化についてもぜひご相談ください。
| アルミ | オール電化アルミ溶解保持炉（S-MIC）※世界初 ハイブリッド式急速溶解炉（ハイブリッドメルター）など |
|---|---|
| 鉄鋼 | 炉体移動式熱処理炉、二分割式竪型熱処理炉 など |
| メッキ | セラミックバスメッキ炉 など |
また、アルミ保持炉や亜鉛メッキ炉などの補助熱源としてもご利用いただける高出力浸漬ヒータ（SAヒータ）も取り扱っております。
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燃料を効率よく
使うには？
燃焼には空気（酸素）が必要であり、空気が足りないと不完全燃焼に、空気が多すぎると過剰空気を温めるため余分なエネルギーが必要になります。つまり、燃焼時の空気量／ガス量の比率を適正に制御することで、燃焼効率を高めることができます。
従来は複数本のバーナを1ループにまとめた均圧弁での制御が主流ですが、均圧弁制御は安定した空気比の燃焼範囲が限定的です。そこで弊社では、全燃焼範囲で空気比を一定に保つために、バーナ個別の流量制御システムを採用しています。
さらにリジェネバーナを採用した設備については、燃焼の積算データを用いてより精密に空気比を制御できる「Individual Combustion Control by Integral Precision Flow Control System = 精密流量制御による個別燃焼制御（略称：ICCシステム）」（特許取得）をご提案しています。
このシステムは全ての燃焼炉に対応が可能で、既設炉への導入も可能です。
炉内圧力を制御して
省エネ！
炉内温度や燃焼制御に応じて炉内の圧力が変化しますが、炉内圧力が低い場合は外気を炉内に吸い込み、炉内圧力が高い場合は隙間(シール部)から高温の炉内雰囲気が炉外に放出されるため、いずれの場合も燃料使用量が増加します。
つまり、炉内圧力を最適に制御することで、燃料使用量を抑えられます。
弊社ではダンパによる制御を推奨しており、比較的手軽に省エネが可能です。
排熱回収方法には
どんな種類がある？
排熱を利用して効率的に加熱をおこなう排熱回収には、様々な種類があり、それぞれ使用できる温度域や得られる省エネ効果が異なります。
リジェネレーティブシステム
通常、蓄熱体を内蔵した2個のバーナを1セットとし、燃焼と排気を短時間に交互に切り替えて使用します。一方のバーナが燃焼している間、もう一方のバーナは高温の排気ガスを蓄熱体を通して排気することで、蓄熱体に熱を蓄えます。逆にそのバーナが燃焼するときは、燃焼空気を高温の蓄熱体に通し予熱します。
例：リジェネバーナ、セルフリジェネバーナ、など
レキュペレータシステム
設備の排気ガスを熱交換器に通し、燃焼空気と熱交換をおこないます。
例：集中レキュペレータ（炉の排熱を一箇所に集約）+ホットエアバーナ、自己排熱回収型（=レキュバーナ：レキュペレータを内蔵したバーナ）
排気ガスの
直接利用って？
設備から放出される排気ガスに含まれる熱エネルギーを、燃焼空気の予熱や他の加熱プロセスに有効利用することができます。
アルミ製品のT6（溶体化/時効）熱処理炉において、溶体化炉から出る排気ガスを時効炉の熱源として再利用するシステムを開発し（特許取得）、年間6万kWhの省エネを実現した実績もございます。
ブロアのインバータ制御
で省電力！
従来はブロアの回転数は変えずにダンパで燃焼空気量を制御していますが、弊社では、バーナの空気配管に圧力発信機を取り付けてブロアのモーターをインバータ制御し、最適な回転数で燃焼空気を供給することをご提案をしています。
これにより、ブロアの消費電力を抑えることができます。
冷却水って必要なの？
従来、炉内温度が1200℃以上となる設備では「炉体金物（間口）」「炉内仕切り壁の金物」「炉内ローラ」などが熱で歪まないよう水で冷却する必要がありました。
弊社では、高断熱耐火材の採用やパーツ材質の見直しによりこれを不要とし、水冷による熱損失を削減することをご提案しています。
断熱性をUPして省エネ！
炉壁からの放散熱量を低減するため、耐火物構成の見直しや断熱シート・断熱塗料の採用などにより断熱性を高めることをご提案しています。
左図の通り、耐火材構成の見直しにより炉壁表面温度を84℃から41℃まで下げた事例もございます。
プロセスの見直しで
省エネ＆省スペース！
プロセス自体の見直しによる大幅な省エネや省スペースも可能です。
弊社では、アルミ製品の製造過程で発生するアルミ切粉の再溶解プロセスにおいて、切粉をブリケット化するとともに、溶解炉の構造を見直し乾燥と溶解を同時におこなえるようにしました（特許取得）。これにより、燃料原単位を75％改善するとともに、設備スペースも60％削減できました。
関連製品
CO2削減にはお金がかかる…
経済産業省の「先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金」（運営：一般社団法人環境共創イニシアチブ（通称SII））を利用し、設備投資の負担を軽減したプロジェクトの実績が複数ございます。
詳細はお問い合わせください。
なお、以下の設備は特に技術の先進性や省エネ効果が高いとして、上記の補助金における「先進型設備」の認定を取得しております。
◯弊社の認定設備
・排熱回収型炉体移動式熱処理炉
・セラミックバス式亜鉛メッキ炉（CERARO）
製品情報